ベルリン

ベルリンの音楽シーンを体感したくて、バイトで貯めた金銭を元手に満月堂オーナーのゲスさんと行ってきた。
Remillaでお世話になっている二人組も別便で先に行っていて、フランクフルトで合流して4人でベルリンへ。

ベルリンはミニマルテクノ発祥の地であると言われるだけあって、本当にどこへ行ってもテクノがかかっている印象。スピーカーを二輪車に登載し駅構内で踊ってる集団が何組もいたりと、歩く度に目に入るグラフティーと共に街中に溶け込んでる印象。

ベルリンの物価は意外なほど安くて、特にケバブは絶品で安い。毎日ケバブばかり食べていた。ケバブ屋は至るところに点在していて大抵が24時間営業。

そして鉄道、トラムも24時間営業。そしてこの時期は夜9時頃まで明るい。
まさにベルリンはクラブ文化と共に繁栄しているのかと思わされるほど。

約300程のクラブが点在しているというベルリン。その中でも初めてということもあって有名所のTresorから攻めてみた。

Tresorは昔、発電所だった跡地らしく、そこを改良してクラブにした老舗。
ロシア系の大男のボディーチェックをかいくぐり、中へ入ると、フロアへ繋がる通路が現れ、そこはまさに今まで体感したことのない異次元の通路。霧と闇と光と残響音に興奮を抑えきれないまま、通路を抜けると、フロアを埋め尽くす客の熱気と爆音にゾッとした。しかし、その快感は永遠のものでなく、観光客の多さと音の悪さに飽きを感じ、事前にネットで当日の出演者の音楽をチェックして一番良さ気だったSuicide Circusへ。

ここは音質は期待できないと某雑誌に掲載されていたが、Tresorの何倍もよかった。
客層も、通な連中が多い気がし、特にここのメインフロアでないサブフロアの選曲が最高だった。やはり自分の好きな音楽はサブなのかと思わされた。

そして次の日は土曜、今回の一番の目的地Berghain/Panorama Barへ。しかし、入るのに長蛇の列。世界最高峰と言われているだけある。
約2時間の待ちということで、Remilla二人組が早朝の飛行機まで2時間しか遊べないため、諦めてabout blankという箱へ。

ここが入り口。看板も何もない。
音質も客層もよく、中庭のチルアウトスペースが無駄に広くてよかった。
ここで2時間程堪能した後、Remilla二人組はパリへと旅立ち、その後今回の一番の目的地Berghain/Panorama Barへ向かうことに。
たまたまゲス君が別行動中に交差点で偶然遭遇した元いわきの美容師で今はドイツで修行中の二人も同行してくれて、この巨大な建物へ向け4人で並び始めた。

朝の4時を過ぎても長蛇の列。しかし、ここは誰でも入店できるわけではない、厳しく客を選別するドアマンが5〜6人いて、選別される。2時間以上並んで入店できない人たちが次々と帰っていく。中には反抗するものもいたが、ロシア人風の大男に掴まれゲートの外へはじき出されたり。
事前情報では服装等の見た目が判断基準とのことだったが、どうも違うらしい、この日の入店率は30%程度で、次々と帰らされる。三人組みの美しい白人女性や、ストリート系の男4人組みが次々と帰される中、遂に僕らの番になり、まず人数を聞かれた。そして何か相談し合いながら、上から下まで舐めるように見られて、顔中タトゥー、ピアスだらけのボスの首が入り口の方に振られて奇跡的に入店できた。物凄い恐怖感の中、4人とも半ば諦めていたから嬉しくて久々に震えた。
中は本当にカオスな世界が広がり、Tresorの一瞬だった快感が永遠のものとなる空間。本当に言葉では表せない空間。あまり文章にしてはいけないような空間。
元々、ゲイクラブが始まりだった箱で、毎週金曜夜から日曜夜まで36時間くらいぶっ通しで営業しているらしい。カメラ等撮影は厳禁。こんな空間が地球上にあるのか…という感想。

帰り際、朝7時半を回っても一向に減らない長蛇の列を見ながら、何故入店できたか色々と皆で考える。
服装、人種?もしかしたらゲイに見えたのか?
そんなことより、もしかしたら第三の目で心の奥底まで読まれていたのかも。

そんなことを考えながらながら、ほとんど寝ずに次の目的地へ

ベルリン編完
続く…