オランダ 続

次の日、45Km離れたライデンに向かおうと早めに起き、パンク修理を直しに行った。意外にも修理代は請求されなかった。

とりあえず、地図を買おうと2〜3件本屋さんに寄るが、どこも置いてない。アムステルダムの地図は沢山あるのに、オランダの地図は一切ない。
自転車屋にもロードマップみたいなものは無いとのこと。
大きい本屋にいかなければ地図はないらしい。本屋さんに本屋さんを聞いてやっとオランダの地図を手に入れた。しかし、縮尺が広すぎて全然役に立たない。1600円近くしたのに、この先もこの地図を広げることはなかった。
結局、人に尋ねるが、誰もライデンまでの自転車での行き方を知らない。
アムステルダムを出るのが、こんなに難しいのかと途方に暮れていたところ、一人の老人が自分の読んでいた新聞をちぎって行き方を書いてくれた。
オランダ人は本当に親切な人が多い。迷っていると向こうから声を掛けてくれることも。
そのお陰でなんとか、ライデンまでの自転車用の看板をみつけることができた。
一度自転車用の看板を見つければあとは従うだけ。
そう、オランダには自転車用の看板があり、行き先と距離が記されてる。
そのうえ、車道、歩道、自転車道と、分別されており、ストレスを感じることなくどこまでも行ける。

この日は晴れていたが風が強い。いわきに似て、海に近いから風の勢いが凄い。
何度も休みながらゆっくりライデンへ向かっていった。

なんとか4時過ぎにはライデンに着いた。宿が決まってないためインフォメーションセンターへ向かう。オランダにはvvv(フェーフェーフェー)という宿の手配をしてくれるインフォメーションセンターがあり、そこで手数料を払えば予約してくれるとガイドブックに載っていたが、ライデンの地図が載った紙切れ一枚だけ渡され、安宿を数件教えてもらっただけで、後は自分で行けとのこと。自転車がなければ駅前の高級ホテルに泊まるしかなかったろうな〜。
しかも、地図は見にくく、迷うことに。疲労と、空腹、宿が決まってない、みつからないという焦りと不安から、三人ともピリピリとした空気へ。
1時間近く迷い続けていたが、ピザ屋が「隣りだよ」と教えてくれる。そこには看板のない、普通の民家だった。
しかし中には部屋とベットと、愛想のいいお婆ちゃんが。
最初の一軒で即決。
そして街へ。

ライデンは予想以上に綺麗な街で、情緒もあって記憶に一番鮮明に残っている。
それは、自転車で訪れた最初の街だったからかもしれない。それには達成感とかが加わってたり。
やはりファーストインパクトってのはなかなか越せないのかも。
今回初めて降り立ったベルリンもそうだし。
だから人が「いい」っていうのは心境や状況が大部分を占めているのかもしれない。逆に「よくない」ってのも同じかもね。
だから気になってることがあったら体感しないとわからないよな〜と改めて今感じました。

続く…